日本公認会計士協会「監査・保証実務委員会実務指針第85号監査報告書の文例」の改正について」等を公表

平成26年8月21日(木)、日本公認会計士協会ホームページで「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正について」の公表についてが公表されました。

監査証明府令などの改正(2014年8月20日付)において、会社が初めて提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に含まれる指定国際会計基準に準拠して作成した連結財務諸表等に係る監査報告書につき、比較財務諸表方式(監査証明府令第4条第2項による記載を行う場合)が新設されたこと等に対応するための見直しです。
文例は、日本基準の場合と指定国際基準の場合に分かれ、さらに比較情報の有無、監査意見の表明方式(比較財務諸表方式(監査証明府令第4条第2項による記載を行う場合)若しくは対応数値方式(監査証明府令第4条第2項による記載を行わない場合)に区分され、監査報告書の文例34、35、36が新設されています。

例えば、指定国際会計基準に準拠して作成される財務諸表にかかる監査意見の表明方式による監査意見区分の記載については、以下のようになります((文例3、文例36参照)。

(対応数値方式)
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、国際会計基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の平成×年×月×日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

(比較財務諸表方式) ※文例の具体的な前提となる状況は、同実務指針参照。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、国際会計基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の平成×1年12月31日現在、平成×0年12月31日現在及び平成×0年1月1日現在の財政状態並びに平成×1年12月31日及び平成×0年12月31日をもって終了するそれぞれの連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

今回の改正による文例は、2014年8月20 日以後提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に含まれる連結財務諸表又は財務諸表に係る監査から適用されます。

日本公認会計士協会「公開企業会計監視委員会(PCAOB)監査基準第17号の翻訳完了について(お知らせ)」を公表

平成26年8月20日(水)、日本公認会計士協会は、ホームページで公開企業会計監視委員会(PCAOB)監査基準第17号の翻訳完了について(お知らせ)」を公表しました。

金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令及び財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」を公布しました

平成26年8月20日(水)付けのインターネット版官報(号外第185号)で「企業内容等の開示に関する内閣府令及び財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(内閣府令第57号)」が公布されました。

http://kanpou.npb.go.jp/20140820/20140820g00185/20140820g001850000f.html

http://kanpou.npb.go.jp/20140820/20140820g00185/20140820g001850038f.html

また、同日、金融庁ホームページで「「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について公表しました。」が公表されました。

http://www.fsa.go.jp/news/26/sonota/20140820-1.html

本件の内閣府令は、8月20日付で公布・施行され、同日よりガイドラインについても適用となりますが、企業内容等の開示に関する内閣府令の「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」とするなどの所要の改正については、企業結合会計基準等の改正に伴い平成27年4月1日(水)から施行される、とのことです。

主な改正の内容は以下のとおりです。

(1) 新規上場時の有価証券届出書に掲げる財務諸表の年数は、最近5事業年度分から最近2事業年度分へと短縮(ただし、「主要な経営指標等の推移」(いわゆる「ハイライト情報」)については、連結関連情報を最近2連結会計年度の開示へと短縮するのに対し、単体関連情報は最近5事業年度に係る情報を開示)

(2) 非上場のIFRS適用会社が初めて提出する有価証券届出書に掲げる連結財務諸表は(比較情報を含む)最近連結会計年度分のみの記載で足りることとする

(3) 「企業結合に関する会計基準」等の適用により、財務諸表の表示が変更されることに伴い、ハイライト情報の「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」とする

なお、公表された資料は以下のとおりです。

(別紙1)パブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方
(別紙2)企業内容等の開示に関する内閣府令及び財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
(別紙3)企業内容等の開示に関する内閣府令 新旧対照表
(別紙4)財務諸表等の監査証明に関する内閣府令 新旧対照表
(別紙5)企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン) 新旧対照表
(別紙6)「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」の取扱いに関する留意事項について(監査証明府令ガイドライン) 新旧対照表

※同日、電子政府の総合窓口e-Govポータルサイト(結果公示案件)でも「「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について」が公表されました。

「公認会計士の日」地域貢献活動を巡る対談で、当職が神奈川新聞に掲載されました

「公認会計士の日」である7月6日(日)、神奈川新聞社会面広告に、当職も参加する公認会計士の地域貢献活動の対談が掲載されました。
紙面では、日本公認会計士協会神奈川県会高野伊久男会長を囲み、望月史郎同県会員と当職が、同県会の会計教育への取り組みや公会計セミナー、中小企業の支援等を説明しています。

日本公認会計士協会がホームページで「監査提言集」を公表

平成26年7月1日(火)、日本公認会計士協会がホームページで「「監査提言集」の公表について」を公表しました。  

公表された資料は、「監査提言集」における監査業務の各段階、手続に分けた提言部分を集約した「監査提言集(一般用)」です。

※会員専用ページには、会員用77ページ版が掲載されています。

金融庁が「「経営者保証に関するガイドライン」の活用に関わる参考事例集」を公表

このたび、金融庁が、金融機関等による標記ガイドラインの活用に関して、広く実践されることが望ましい取組みを「「経営者保証に関するガイドライン」の活用に関わる参考事例集」
として取りまとめ、公表しました。

当該事例集は、中小企業等にとって思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組のために、金融機関等による当ガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが融資慣行として浸透定着することや、経営支援の担い手である公認会計士・税理士が行う経営支援の一助となることが期待されます。

日本公認会計士協会が「開示検査に関する基本指針(案)」に対する意見について公表しました

平成25年8月1日、日本公認会計士協会は、平成25年6月26日に証券取引等監視委員会が公表した「開示検査に関する基本指針(案)」に対して取りまとめ、平成25年7月25日付けで証券取引等監視委員会に提出された意見が「「開示検査に関する基本指針(案)」に対する意見」として公表しました。

本公表では、全般事項において、開示検査の透明性を高めるために、本基本指針が策定され、開示検査にかかる実施手続等がされることに賛成する見解が明らかにされています。
また、個別事項においては、証拠収集、立入検査、外部調査委員会、検査終了通知書の交付にかかる論点を掲げています。

特筆すべき点としては、外部調査委員会の論点について、証券取引等監視委員会の案文では外部調査委員会の調査結果等に「事実認定の基礎にすることができる」と起案された箇所につき、日本公認会計士協会は、外部調査委員会の調査結果等は、「基礎」ではなく、「参考に止める」ことが「適切」であり、「改める必要がある」としていることが挙げられます。

しかしながら、証券取引等監視委員会の開示検査において外部調査委員会の調査結果を参考に止めるとするならば、同委員会自らが、事実認定の為の全ての証拠を直接入手しなければならないことにもなりかねません。外部調査委員会による適切な調査結果が報告された場合においても、証券取引等監視委員会による開示検査手続が全く軽減されず、その受忍を余儀なくするものとすれば、検査対象企業にとっては、更なる事務負担や開示検査期間の長期化によるコスト増などが危惧されることになります。
さらに、外部調査委員会の調査結果が、検査対象やステイクホルダーにまで軽視される可能性も否定できません。

当該箇所の意見については、検査対象企業の事務コスト負担や、外部調査委員会の調査活動に弊害を及ぼす可能性のみならず、日本弁護士連合会による「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」が明示する、独立性やステイクホルダーを重視する観点との整合性にも、議論の余地があると考えられます。

日本公認会計士協会が会計制度委員会研究資料第4号「時価の算定に関する研究資料~非金融商品の時価算定~」を公表

日本公認会計士協会は、会計制度委員会研究資料第4号「時価の算定に関する研究資料~非金融商品の時価算定~」を、2013年7月9日付で公表しました。

研究を行った背景として、我が国の会計実務に資産の時価を使用する局面が増加しており、時価の算定に際しては、状況に応じた適切な評価技法を併用又は選択する必要がありますが、非金融商品は、時価を算定するための情報の入手に困難を伴う場合が多いと考えられることを挙げています。
本研究資料は、「時価」について多面的な考察を試みたうえで、非金融商品、特に有形固定資産と無形資産の時価算定の方法及びデータの入手方法、並び時価算定の際の留意事項等にかかる一定の研究成果を明らかにする内容となっています。

我が国の会計基準では、「時価」につき、市場価格が観察できない場合には「合理的に算定された価額」をいう、と定義していますが、多様な見積りの評価や算定方法に対して、どこで合理的か否かの線を引くかは、非常に困難な問題であり、多くの実務家が、グレーゾーンの判断に悩まされる実情にあります。

今回の公表は、実務上の指針として実務を拘束するものではないとはいえ、具体的な計算方法を設例として示すことは、まさに、このような評価の実務に一石を投じるものになると考えられます。
一実務者として更に希望を申し述べるならば、企業結合に関する論点として「取得」と判断される場合ののれんの差額計算の方法を本研究資料の巻末に記載していますが、昨今の活発化するM&A事情に鑑みると、非適格合併の場合の税効果会計を織り込んだ、最近の研究資料ならではの見解をも追記していただけると、より参考に資すると思料します。

今回の公表には、会員が時価の算定方法を研究する上での一助となることや、公正価値測定に関する包括的な会計基準設定に関する議論に寄与することが期待されています。
会計基準の改廃や会計実務の動向といった将来の経済状況の変化に応じ、本研究資料も追加拡充されることが、強く望まれるところです。

日本公認会計士協会が経営研究調査会研究報告「不正調査ガイドライン」(公開草案)を公表しました

日本公認会計士協会は、2013年7月2日付で経営研究調査会研究報告「不正調査ガイドライン」(公開草案)を公表しました(意見募集期限:平成25年7月15日)。
公認会計士が実施する不正調査業務の増加を受け、その概念や手法、調査手法などを体系的に整理・作成されたものであり、日本弁護士連合会より2010年に公表された「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に比して、大変ページ数の多い内容となっています。

ちなみに、今回の草案では、不正調査人は、依頼者・企業等による調査結果の公表に先立ち、その内容を依頼者・企業等と協議・確認し、依頼者・企業等が行う公表に齟齬が生じないようにすることが望ましい(同公開草案Ⅷ2.)と起案されています。
一方、日本弁護士連合会による同ガイドラインでは、調査報告書は事前非開示として、調査報告書提出前に企業等にその全部または一部を企業等に開示しないこととされています(同第二部第2.3)。そして、調査報告書(原文)とは別に開示用の調査報告書を作成でき、非開示の部分は企業等の意見を聴取して第三者委員会が決定することとされています(同ガイドライン注8)

依頼者・企業等と第三者委員会ないし不正調査人が常に協働歩調して不正調査が進められる場合には、このような規定の微妙な差が実務に及ぼす影響は、ほとんどないものと思われます。

しかし、先月明らかとなった、全柔連が全日本柔道連盟の助成金問題を調べる第三者委員会に対して報告書の内容変更を促す要望書を再三送付したケースのように、企業会計不祥事においても、依頼者等・企業等が、不正調査人が作成する調査結果内容に、自身にとって不利な内容を記載しないよう介入し、圧力をかけることは十分ありうる事象に思えます。

そういったシリアスな局面では、同草案における上述の記載の解釈が、調査報告書の方向性や品質、そして不正調査人の独立性をも左右する、まさに重要な鍵になるものと考えられます。